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千思万考8「ABS先任と湿布」【業界用語 自衛隊と清掃業者】
自衛隊応援クラブのニュース
一般社団法人DSC
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2024-4-18
ある日、換気扇の掃除のため業者がやって来た。 段取りや作業の様子を見ながら、話しかけてみたら、「父親が自衛隊でした」というので話が弾んだ。 部品の油汚れをヘラでそぎ落とし、塊にして新聞紙で包む。部品は強いアルカリで洗浄している。 ゴーグルとゴム手袋は必需品で、汚れや洗浄液が垂れる時は特に注意するそうだ。作業服は家庭では洗わず洗濯屋に出す。 作業が終盤にかかる頃、ヘラでそぎ落とした油汚れの塊が欲しいと言ってみたら、「どうぞどうぞ」と快く返事をくれた。 業者の前で塊をビーカーに入れて、“ABS先任”をスプレーしてみる。じきに黒いギトギトの油汚れが溶け出した 業者「すごい! 何ですかこれ?」 私「“ABS先任”という名の酵素液です。『あぶら・ぶんかい・スーパー・先任』の略です」 業者「“先任”? 聞いたことあるな。確か父親が使っていたような…」 私「“仙人”とか“選任”とか思い浮かべる人が多いけど、自衛隊員と話すとよく出てきます。先任上級曹長とかね、自衛隊の業界用語かな? 規則にもあります。先にその任務・地位に就いている最上位者ってことです」 業者「“ABS先任”は油を分解する能力が他より優れていることですか?」 私「そう! しかも、食品添加物と酵素だから安全安心。ひどい油汚れでもスプレーしてラップで浸漬状態にすれば、さらによく落ちますよ」 業者「あっ! それ、われわれの業界用語では“湿布”というんですよ」 湿布貼り 先任の声に 耳寄せん (詠み人知らず) ↓↓↓商品のご購入はこちらから↓↓↓ https://shop.sip.jpn.com/items/31425604
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千思万考7「CHAT GPTに聞いてみた」
自衛隊応援クラブのニュース
一般社団法人DSC
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2024-4-16
最近、CHATGPTの話をよく聞くので、試みに自分の書いた文章を評価させてみたものである。 CHATGPTに「嘘も100回言えば…」の文章を評価させた場合の回答 この文章について感想、改善点、疑問点、意見を求める
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千思万考6「航空優勢とは?」
自衛隊応援クラブのニュース
一般社団法人DSC
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2024-4-13
て、次世代戦闘機「GCAP」(Global Combat Air Program)の最大の役割は、やはり、今後とも「航空優勢」の確保です。 「航空優勢」の確保は、国家防衛のための諸作戦を遂行する上での大前提となるものであり、いわば「公共財」的な存在なのですね。 「航空優勢」とは、「武力攻撃が発生した場合に、敵からの大きな妨害を受けることなく我の諸作戦を遂行できる状態」のことであり、これを確保することにより、その空域下で海上作戦や陸上作戦等の効果的な遂行が可能となるわけです。「航空優勢」を失えば、敵の航空機やミサイル攻撃などにより、わが国の防衛に任ずる飛行中の航空機はもとより、地上ミサイル部隊や航行中のイージス艦、さらには港湾や飛行場等も攻撃を受け、艦船や航空機の運用自体が困難となります。 この公共財の「航空優勢」を今後とも確保するためには、技術的な趨勢に適応した高性能戦闘機を適時確保して、その戦闘機が我が国の周辺空域に迅速に展開し、より遠方で、侵攻してくる敵の航空機やミサイルによる航空攻撃に対処できる態勢を整える必要があります。 戦闘機同士の戦い方は、搭載兵器や情報共有のための技術的趨勢等の変化によって大きく変化してきています。 F86F戦闘機の時代は、戦闘機同士が目視範囲内で格闘戦を行ういわゆるドッグファイトの時代でした。それが、F-4EJやF-15戦闘機の、目視範囲外からミサイルを打ち合う時代を経て、今後は、更なるステルス性向上に加え、量に勝る敵に対する高度のネットワーク戦闘能力、高度なセンシング技術の融合等の能力向上が必要となる時代になるのでしょう。 現在、GCAPとして導入が検討されているのは、2035年頃退役開始が見込まれている航空自衛隊保有のF-2戦闘機の後継機ですが、2035年頃の世界において「航空優勢」を確保するためには、現時点においていずれの国においても実現されていない新たな戦い方を実現でき、将来にわたり適時適切な能力向上のための改修を加えることができ、更に高い即応性・継戦能力等を確保できる国内技術基盤を有する次期戦闘機を国家主導で開発していく必要があるとされています。昔、こんな機能を持つ戦闘機が欲しいと思っていたことが、技術的に実現する時代になってきたのですね。 私は現役時代にF-4EJやF-15戦闘機に思う存分搭乗しましたので、今さら、次世代戦闘機に乗りたいとは思いませんが、戦闘機の高性能化に伴い、搭乗するパイロットに求められる資質は相当変わってくると思います。 最前線に進出する戦闘機が最もフレッシュな敵情情報に遭遇するわけですし、その情報量も過大です。随伴する無人機との協同戦闘も常態化、そして、それらの情報を全てマネージしつつ、単なる戦闘機同士の空中戦闘のみならず、ひいては、作戦全般の指揮統制をも統括する戦域空中指揮官としての役割すら期待されるようになります。 戦闘機の開発は日進月歩、未だかつて存在しなかった高性能戦闘機が近未来に出現します。その高性能戦闘機の持てるポテンシャルを最大限に引き出すのは、非常に大変なことだと思いますが、魅力ある未知なる世界、優秀な後輩の諸官には是非とも果敢にチャレンジして欲しいと思います。