タグ一覧
選択したタグ:「千思万考」
9件
-
千思万考5「Maybe so, sir. But not today」
自衛隊応援クラブのニュース
一般社団法人DSC
一般社団法人DSC
2024-4-11
空自戦闘機乗りのOBとして、「Aviator」としての経験談、「Air Power」関連情報に関するコメント等を連載していくことと致します。 まず、最近、メディアでも報じられるようになった「次期戦闘機」の話題を取り上げます。 私は、F-15戦闘機への機種転換を米国で実施した最初の「F-15米留組」の15人のサムライのうちの一人ですが、当時の「次期戦闘機」は、「F-X (Fighter Experimental)」、国産支援戦闘機F-1 の後継機は「FS-X」と呼ばれていました。 現在、航空自衛隊の次期戦闘機事業名は「GCAP」(Global Combat Air Program)で、日本、英国、イタリア3か国で共同開発されることはご存じの通りです。そのあたりの事情については追ってまたご紹介することと致します。 さて、今日のテーマは、「いまや、無人機が活躍する時代なのに、なんで、有人機の開発?」ということ。 映画「トップガン・マーヴェリック」で、無人機推進派(映画では“Drone Ranger”と表現)のケイン海軍少将がマーヴェリックに、「The end is inevitable, Maverick. Your kind(Pilot) is headed for extinction.」(結論は明白だ、マーヴェリック。貴様みたいなパイロットは消え去る運命にある。) それに対して、マーヴェリックは「Maybe so, sir. But not today」(少将、多分そうかもしれません。しかし、それは今日ではありません。)と答えます。このシーンはとても象徴的で示唆に富み、プロの戦闘機乗りにも、「我が意を得たり」の納得のセリフです。 最近、ウクライナ戦争やガザ地区での戦闘で、無人機が活躍していることは確かですが、無人機攻撃のみにより、戦争終結に至るような作戦を展開することは甚だ難しいですし、錯綜した戦場での作戦統制や状況判断等には、「心」も含めた人間の介在が今後との極めて必要なのです。因みに、米空軍、豪州空軍をはじめ、中国空軍やロシア空軍も、次世代戦闘機の開発は、無人機との連携戦闘は有りうるとしても、メインは有人機を原則としての開発を進めています。
-
千思万考4「陸自の“ギョーカイ用語”を飲み会で使ってみた」
自衛隊応援クラブのニュース
一般社団法人DSC
一般社団法人DSC
2024-4-8
わが社に陸上自衛官OBがいます。 ある日、職場のメンバーで「飲もう!」とのことなり、彼も誘いました。 「明日の夜、飲み会をやるので、ぜひ来てください」 すると彼は「“夜間戦闘”、いいですね! 望むところ!!」と即答でした。 「夜間戦闘っ!?」 メンバーがポカンとするのを尻目に、「ファイトマネー(飲み代)も手ごろですし」とご満悦な様子。 陸自では、飲み会を夜間戦闘と言うらしい。(海自では別法と言う) メンバーがそう理解するまで、少々時間が必要でした。
-
千思万考3「回転寿司店のサーモンが高騰 」
自衛隊応援クラブのニュース
一般社団法人DSC
一般社団法人DSC
2024-4-5
今や日本の食文化となっている回転寿司店で子供に最も人気があるのは、「サーモン」であるという。 考えてみれば、我々の世代は、子供のころ鮭の刺身は食べた経験が無い。 ある人によると、鮭にはアニサキスなどの寄生虫が入っているので通常は刺身としての生食には向かないとのこと。 しかしながら、天然の鯖にもアニサキスがいるのに冷凍加工などして刺身で食べることはある。 人は「外観・におい・うまみ・歯ごたえ」により、美味しいか美味しくないか判断している。 養殖のサーモンはこの要素バランスが良くなり美味しく感じるよう研究されているが、天然の鮭は「うまみ・歯ごたえ」などが不十分で、新鮮であってもおいしい刺身にはならないから商業的に流通していないらしい。 ノルウェイ産のサーモンは、徹底した管理の下で寄生虫が入っていないことが確認されており、かつ美味しく感じるよう研究されていることから、生サーモンとして流通しており人気も高いらしい。 ノルウェイ産の生サーモンは、最短距離であるシベリア上空経由路線を使用して約10.5時間の飛行時間で日本に届けられていた。 ロシアは、ウクライナ戦争に伴うロシアに対する経済制裁に対抗して、一昨年2月28日他国の航空機のロシア領空の飛行禁止措置を発表した。このためノルウェイを含む航空会社はロシア領空を避けるルートへの変更を余儀なくされている。 迂回ルートは、北極海上空、アンカレッジを経由する「北回りヨーロッパ線)」と中東を経由する「南回りヨーロッパ線」がある。 いずれにしても飛行距離が伸びるため飛行時間も当然増加する。 ノルウェイから日本への生サーモンの空輸も最短距離であるシベリア上空経由路線の輸送が困難となっている。 当然迂回ルート使用により飛行時間が増加するため輸送コストは高騰している。 さらにノルウェイから輸入されるサーモンの約9割が「生の状態」で空輸されているため、飛行時間の増加に対応した生サーモンの鮮度と品質の維持も大きな問題となり、生サーモンの供給が不安定の原因となっている。 実際、昨年のノルウェイ産の生サーモン輸入価格は豊洲市場で7割以上高騰する過去最高水準となっている。 ロシア領空の飛行禁止措置は、回転寿司店を利用する消費者の財布を直撃する。