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千思万考2「ガザ武力衝突とウクライナ戦争を原因とする日本の物価高」
自衛隊応援クラブのニュース
一般社団法人DSC
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2024-4-3
イスラム主義組織ハマスは、昨年10月7日、数千発のロケット弾を撃込み戦闘員を境界越えてイスラエル南部の街に侵入させ銃撃戦が発生、イスラエルに600人以上の犠牲者が発生、イスラエル軍のガザ侵攻へと発展している。 ハマスがこの時期に攻撃に踏み切ったのは、次の理由によるとされている。 ・ 米国が仲介する形で進むイスラエルとサウジアラビア国交正常化交渉へのけん制 ・ 深刻化する失業と貧困でハマスにも向き始めた庶民の不満をそらすため 一方で、イスラエル軍のガザ侵攻でガザ住民の犠牲が増え、世界の非難がイスラエルに集中するなか、イスラエル軍のガザ侵攻の原因となったハマスによる一般住民を対象としたテロ行為への非難があまり聞こえてこないことに違和感を覚えるが、ここでは、何故遠き中近東での紛争が日本での輸入食材の高騰となるのか説明したい。 イランの支援を得て、イスラエルを攻撃しているイスラム主義組織は、ハマスのほかにレバノン南部を拠点とするヒズボラと南イエメンを拠点とするフーシがある。 フーシ派は、当初ミサイルでイスラエルを攻撃していたが、昨年11月19日日本郵船のチャーター運航の自動車運搬船を、イスラエル関係船として、スエズ運河に通ずる紅海で拿捕した。その後も、紅海で無人機の発射やミサイルによる商船攻撃を繰り返している。 紅海は、年間約17,000隻の商船等が航行するスエズ運河に通ずる海路の要衝で、航路の安全確保は世界経済にとって重要度が高い。 荷主企業や海運会社の多くは、安全を確保するために、紅海北部のスエズ運河や南部のバブルマンデブ海峡の運航を取りやめ、南アフリカの喜望峰を通る航路に切り替えている。 喜望峰ルートに変更することで、航行距離は約7.000km、航海日数は約10日伸び、その分輸送コストが嵩み物価の高騰を招く。 またすべてのコンテナ船が喜望峰を回ると輸送容量は、20~25%減少すると予想され、世界で供給網が混乱し始めている。 仏ワイン、トルコのパスタ、イタリアのトマト缶など欧州から日本への各種食材の輸入はすでに1か月ほどの遅れが出ており、品薄となる商品もあり、輸送コストの増加分も併せて、輸入食材の高騰を招いている。