中国由来、新型コロナウイルスの感染者数が世界で指数関数的な増加をみせる中で北朝鮮は3月2日、9日、 21日、29日と弾道ミサイルテストを再開しています。
4月11日、中国海警局の船が尖閣諸島周辺を航行するのは37日連続になります。
新型コロナウイルス感染拡大に係る防衛省・自衛隊の取組を、内閣官房の資料と河野防衛相のブログ「ごまめの歯ぎしり」をもとにまとめました。
1月23日、防衛省は所管する医療機関に対し、新型コロナウイルスに関する検査対応について、通知を発出しました。
1月24日、防衛省職員に対し、新型コロナウイルスの感染予防の徹底等に関して、通知を発出しました。
1月28日、武漢の在留邦人の引き上げに関して、航空自衛隊が運行する政府専用機も千歳で待機。ANAのチャーター機だと200名、政府専用機だと100名強しか乗れないので、チャーター機が行ければ政府専用機は行く必要がありません。
1月29日、厚労省からの依頼を受け、チャーター機第2便に自衛隊の看護官2名が搭乗し、機内の検疫支援を実施。厚労省からの依頼に基づき、在留邦人の帰国のために武漢に向かったチャーター便に、検疫支援のため自衛隊中央病院の看護官2名(一等陸尉及び二等陸尉)を派遣。
1月30日、前日に引き続き、チャーター機第3便に自衛隊の看護官2名が搭乗し、機内の検疫支援を実施しました。
1月31日、自衛隊法第83条第2項ただし書きに規定する災害派遣(自主派遣)の実施を下令。
命令の概要は、新型コロナウイルス感染症対策本部の方針を踏まえ、同感染症の感染拡大の防止が、特に緊急を要し、都道府県知事等の要請を待ついとまがないと認められることから、自衛隊法第83条第2項に規定する災害派遣により、感染症拡大の影響により帰国した邦人等に対し、救援活動を実施しました。中国からの帰国者の一時停留場所として活用するため、防衛省がPFI契約をしている民間船舶「はくおう」が東京湾へ向けて出港しました。中国からの帰国邦人等が宿泊している施設へ、施設運営の支援部隊を派遣開始しました。
2月1日、警察大学校及び財務省西ヶ原研修合同庁舎に滞在していた帰国邦人を税務大学校へ輸送。災害派遣の実施命令に基づき、この日から陸自衛生隊員約40名を、武漢からの帰国者の宿泊施設に派遣して生活支援しました。
2月2日、警察大学校と西ヶ原研修合同庁舎に残る物資(食料、生活用品等)を税務大学校へ輸送しました。
2月3日、防衛省職員に対し、2月1日に新型コロナウイルス感染症が指定感染症として指定されたことを周知するため、通知を発出しました。
2月4日、PFI契約をしている民間船舶「はくおう」が、海上自衛隊横須賀基地の岸壁に接岸し、今後、帰国者の受け入れが必要になった場合に備えて準備作業を開始しました。
2月5日、中国からの帰国邦人等の健康状態の確認や健康相談を行うため、医官及び看護官等を各宿泊施設へ派遣開始しました。
2月6日、所管する医療機関に対し、新型コロナウイルス感染症に関する対応、医療体制、届出の基準及びN95マスクの適切な使用に関する通知を発出しました。チャーター機第4便に自衛隊の看護官2名が搭乗し、機内の検疫支援を実施しました。自衛隊は、この日から、横浜に到着しているクルーズ船「ダイヤモンドプリンセス号」の乗客および乗組員の生活支援を開始。「はくおう」をそのための自衛隊員の活動拠点・宿泊場所として活用します。武漢からの帰国者のためのチャーター便の機中での検疫のため、自衛隊中央病院の看護官2名を派遣しました。
2月7日、自衛隊の医官がクルーズ船において医療支援を開始。自衛隊員がクルーズ船において乗客等の下船の支援を実施。①救急車4両を派遣し、陽性の方を病院に搬送②陽性の方などのプライバシー保護のためのブルーシート展張支援。医官5名、隊員約40名などにより、クルーズ船「ダイヤモンドプリンセス号」に乗船されている方への医療支援、病院への搬送などの活動を開始しました。
2月8日「ダイヤモンド・プリンセス」に乗船中の米国人に関しては、米国政府から日本政府の対応ぶりに謝意が表明されるとともに、14日間の検疫期間を船上で過ごすことがウィルス感染の拡大を防ぐ最良の方法であるとの米衛生当局の判断に基づき、早期に下船・出国させる考えはないとの説明を受けています。午後1時過ぎに、在京米大使館から米国人乗客に対してメールが送付され、「船内に留まる方がより安全である」旨が説明されています。
自衛隊は、チャーター便第4便の帰国者の生活支援のため、税務大学校に約20名を増派し、3カ所の陸上の宿泊施設で計約70名が、生活支援や健康状態の確認、健康相談を行っています。「ダイヤモンド・プリンセス号」においても、乗船者への医療支援、生活支援を継続しています。
2月9日、クルーズ船内への物資の搬入及び船内での仕分け作業を実施。2月9日、自衛隊員がクルーズ船において乗客等の下船の支援を実施。①救急車3両を派遣し、陽性の方を病院に搬送②陽性の方などのプライバシー保護のためのブルーシート展張支援しました。
自衛隊は、武漢から帰国された方々が滞在する施設での生活支援及び「ダイヤモンド・プリンセス号」への物資の搬入や仕分け、さらに、自衛隊の救急車による患者の病院への搬送を引き続き行っています。
「ダイヤモンド・プリンセス号」では、自衛隊の医官等も医療支援を継続しています。海上において検疫を実施中ですが、この日、新型コロナウイルスの陽性が確認されたのは延べ336名の検査中70名となりました。自衛隊も支援して、感染症病棟を有する医療機関に搬送しています。
2月10日、医療支援のため、薬剤官3名をクルーズ船に派遣。「ダイヤモンド・プリンセス号」に派遣中の自衛隊の医官5名は、本日から検疫業務も開始。また、同船に、この日より自衛隊から薬剤官も派遣。「ダイヤモンド・プリンセス号」で自衛隊の医官5名、薬剤官3名が医療・検疫支援を行うほか、引き続き、3カ所の陸上の宿泊施設で自衛官69名が、生活支援や健康状態の確認・相談を行っています。自衛隊、「ダイヤモンド・プリンセス」号の支援に62人、宿泊施設の支援に69人、合計131 人が本日、新型コロナウイルス対応にあたりました。
2月12日、医療支援のため、看護官等5名をクルーズ船に派遣。厚労省の検疫官1名が新型コロナウイルスの陽性に。新型コロナウイルスのPCR検査は、1日あたり300件程度の能力を、クルーズ船の乗客の下船が可能になる2月18日以降は1日1000件まで能力拡大できる見込みです。
医師と保健所の判断で、症状から見て検査が必要と思われる人にもPCR検査を行えるようガイドラインを改正しました。
2月13日、下船時におけるPCR用検体採取支援のため、当面医官8名、看護官等12名及び調整要員1名を派遣。医師・看護師等の資格を有する予備自衛官を最大約50名招集するための命令発出。クルーズ船からの下船者の健康観察施設における生活支援要員及び医官チームを派遣(じ後最大約90名を想定)
2月14日から、クルーズ船からの下船希望者の健康観察施設への輸送を実施。「ダイヤモンド・プリンセス号」において活動する自衛隊員の新たな活動拠点・宿泊場所となる、民間フェリー「シルバークィーン」(客室107室)が横浜港に接岸しました。本日は隊員の受入れ準備を行い、明日(2月15日)から、隊員の宿泊場所として利用していきます。
2月15日、下船時におけるPCR用検体採取支援のため、医官5名を追加派遣。クルーズ船に約30名の要員を追加派遣し、医療支援、生活支援等に加え、船内の共同区画の消毒支援を実施しました。
2月16日から、クルーズ船からの下船を希望する米国人(約330人)について、自衛隊車両により羽田空港への輸送を実施しました。チャーター機第5便に自衛隊の看護官2名が搭乗し、機内の検疫支援を実施しました。
2月17日、防衛省職員に対し、新型コロナウイルス感染の疑いがある場合の対応に関して、通知を発出しました。
2月18日、PCR陽性で無症状者(同室者等含む)約30名を、自衛隊バスにより愛知県の医療施設へ搬送しました。
2月19日、看護師の資格を持つ予備自衛官2名が、税務大学校において、帰国邦人等の健康状態のチェック等の業務を実施予定。所管団体に対し、新型コロナウイルス感染の疑いがある場合の対応に関して、通知を発出しました。クルーズ船からの下船を希望するオーストラリア人等(約170名(ニュージーランド人4名を含む))について、自衛隊車両により羽田空港への輸送を実施しました
2月19日から、クルーズ船からの陰性判定の乗船客の下船に伴い、下船者の荷物の運搬及び大黒ふ頭構内の下船者及び車両の誘導支援を実施しました。
3月1日、クルーズ船のインドネシア人の乗員(約70名)について、自衛隊車両により、羽田空港への輸送を実施しました。他乗員(約60名)について、自衛隊車両により、国税庁税務大学校への輸送を実施。1日をもって、大黒ふ頭における自衛隊の活動は終了しました。
3月2日、防衛省職員に対し、新型コロナウイルス感染拡大防止に係る隊員に対する特別休暇の付与について、通達を発出しました。(2月28日の通達から対象を拡大)
3月8日、国税庁税務大学校における自衛隊の活動は終了しました。
3月10日、河野太郎防衛相は記者会見で、3つの原則(緊急性・公共性・非代替性)に基づいて、災害派遣を自
衛隊がやるべきかどうか、判断が必要。昨年度の相次ぐ災害派遣で必要な訓練が中止や延期になる中で、自衛隊の災害派遣基準を明確化するため、総務省、内閣府などの関係省庁や自治体との間で、活動内容や撤収時期を定めたマニュアル化・出口の明確化する考えを示しました。自衛隊病院は、これまで感染者122名を受け入れ、114名退院、2名転院、6名が入院中です。
3月12日、陸上自衛隊は新型コロナウイルスの感染拡大でマスクが不足していることを受け、東京都内の駐屯地に備蓄しているマスクを放出しました。配布先は政府内で調整します。自衛隊は全国で保管する155万枚のうち、災害派遣の初動に必要な55万枚を除いた100万枚を提供します。自衛隊の病院では、これまでに感染者128名を受け入れて、116名が退院、2名が転院し、10名が入院中です。
3月13日、河野太郎防衛相は記者会見で、防護基準をしっかり定めて、組織でしっかり対応し、災害派遣活動の中で、自衛官感染者は出なかったことを含め、今回の教訓を次に伝えます。政府内部に横断的な情報の共有が重要であることを示しました。新型コロナウイルスの感染拡大防止のための自衛隊の災害派遣および予備自衛官の活動の終了を16日に発出します。引き続き、感染症患者の受け入れを自衛隊病院で行います。
3月16日、防衛大臣が災害派遣の終結命令を発出し、活動を終了しました。
3月26日、 新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づき、政府は感染症対策を総合的かつ強力に推進するため、内閣官房に「新型コロナウイルス感染症対策本部」を設置しました。これを受け防衛省は、対策本部を立ち上げ、第一回目の会議を開催いたしました。
3月28日、新型コロナウイルス感染拡大防止の水際対策強化のため、自衛隊に対し、自主派遣による災害派遣命令を発出しました。
関係省庁と連携し、感染症拡大阻止に向けて対応しています。
(写真は防衛省・自衛隊Twitter、防衛省HP、航空自衛隊HPより。https://www.mod.go.jp/asdf/nara/06disaster_relief_ operation/05corona/index.html)
自衛隊中央病院について河野防衛大臣ブログ「ごまめの歯ぎしり」より加工して引用。
自衛隊中央病院では、受け入れた新型コロナウイルス感染者の6割が外国人でした。
そのため、外国語通訳ができる予備自衛官を招集しました。自衛隊中央病院では、感染症のための病床が10床あります。この10床がいっぱいになると、次の病棟の約50床を感染症用に割り当て、さらにその次の50床というように拡大していきます。感染症の病床を担当する医官、看護官は専属にする必要があったため、自衛隊中央病院では他の自衛隊病院の医官、看護官の支援を受けたほか、医師、看護師の資格を持つ予備自衛官を招集し、一般患者の診療に従事していただきました。新型コロナウイルスは、PCR検査で感染が確認されると、軽症でも、無症状でも入院し、隔離されることになります。一般の病院では、通常、病床の8割から9割は様々な診療科の入院患者で塞がっています。しかし、新型コロナウイルスの陽性患者が増え、入院する患者が増えれば、他の診療科の入院患者を受け入れることができなくなります。また、医師、看護師も感染症病棟にとられ、他の診療科に手が回らなくなります。新型コロナウイルスの陽性患者は、症状がある者でもその8割は軽症ですが、その軽症患者も、退院するためには、症状がなくなってから、48時間おいてPCR検査を行い、その検査で陰性であった場合、さらに12時間おいて2度目のPCR検査も陰性なければなりません。軽症でも退院にはある程度の時間がかかります。
肺炎の症状が出ると病状は重くなり、14%が重症、 6%が重篤になります。
自衛隊中央病院では、陽性患者の肺のCT画像を撮り、肺炎の影がなければ比較的軽症にとどまり、影があると重症化する可能性が高いということを突き止めています。
新型コロナウイルスは、インフルエンザと同じように、治療のための特効薬はありません。
いかに限られた病床を重症、重篤な患者に割り当てるかが、この新型コロナウイルスの影響を最小化するための鍵を握ります。PCR検査を増やせば、軽症の感染者で病床が埋まります。その結果、重症、重篤な感染者、そして他の診療科の患者の病床が制約されます。
PCR検査を増やすのがよいのか、あるいは無症状、軽症の感染者を入院させず、自宅療養にするのか、あるいはホテルなどの宿泊施設である程度様子を見ながら隔離するのか、自衛隊病院も厚労省などと連携しながら対応していきます。
(写真:私達は病院で 皆様は家で 一緒に日本を守ろう!! 出典:自衛隊中央病院ホームページ https://www.mod.go.jp/gsdf/chosp/page/kiyaku.html)
新型コロナウイルス感染症拡大防止に係る防衛省・自衛隊の取組について 拡大防止 コロナ
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