青森県上空を越えて、太平洋に弾道ミサイルが落下した。
2022年10月4日7時22分、日本の東京・島嶼部でJアラートが鳴り響き、それまでとは明らかに緊張感の高い雰囲気が日本中に漂った。
この日防衛省は、北朝鮮が、北朝鮮内陸部から、1発の弾道ミサイルを、東方向に向けて発射し、最高高度約1,000km程度で、約4,600km程度飛翔、7時28分頃から29分頃にかけて、青森県上空を通過した後、7時44分頃、日本の東約3,200kmの排他的経済水域(EEZ)外に落下したものと推定されると発表した。
防衛省は、政府内及び関係機関に対して、速やかに情報共有を行い、それまでに、航空機や船舶からの被害報告等の情報は確認されていないとした。
対応としては、総理に直ちに報告を行い、発射直後に、
① 情報収集・分析に全力を挙げ、国民に対して、迅速・的確な情報提供を行うこと
② 航空機、船舶等の安全確認を徹底すること
③ 不測の事態に備え、万全の態勢をとること
以上3点を通達、ミサイルが通過したと判断される地域に重点を置き、落下物等による被害がないか、速やかに確認すること、北朝鮮の今後の動向を含め、引き続き、情報収集・分析を徹底すること、米国や韓国等、関係諸国と連携し、引き続き、必要な対応を適時適切に行うことを指示した。
これを受け、防衛大臣は
① 日本の領域及び周辺海域における被害の有無の確認を徹底すること
② 米国等と緊密に連携しつつ、必要な情報の収集・分析に全力を挙げること
③ 不測の事態の発生に備え、引き続き警戒監視に万全を期すこと
の3点について指示を出した後、関係幹部会議を開催し、また、F-15戦闘機等で情報収集を行うなど、対応に万全を期しているところだとした。
そもそも北朝鮮は、故安倍前総理の国葬が近い、9月25日に短距離弾道ミサイルを日本海に向けて発射したことを契機に、28日、29日、10月1日にも各2発を発射したうえでの4日の蛮行に及んだ。さらに10月6日にも2発の弾道ミサイルを日本海に向け発射しており、もはやとどまるところを知らない様相を呈してきた。
その背景には、23日に米海軍の原子力空母ロナルド・レーガンが韓国海軍の釜山基地に入港し、26日からは日本海で米韓両軍の演習が行われている。さらに故安倍前総理の国葬に際し、各国の要人、とりわけアメリカのハリス副大統領が国葬に出席したり、その後韓国を訪問し、29日に韓国と北朝鮮の間にある非武装地帯(DMZ)を訪れるという一連の要因があった。
それにしても、武力での威嚇合戦をしていたところで解決は無理なように思えてならない。少しでも早く、話し合いの場を設けることが最もこの緊張を緩和する方法ではないだろうか。現在進行形で行われているロシアのウクライナ侵攻を見れば、戦争は明らかに国を疲弊させ、世界を疲弊させていく。そして、戦争を仕掛けた側が結果的には追い込まれていくことは明らかなのではないだろうか。
これまでの一連の北朝鮮の行動は、日本地域及び国際社会の平和と安全を脅かすものであることは言うまでもなく、このような弾道ミサイル発射は、関連する安保理決議に違反するものである。特に、日本上空を通過させる形での弾道ミサイル発射は、航空機や船舶はもとより、上空を弾道ミサイルが通過したと判断される地域の住民の安全確保の観点からも極めて問題のある行為と言わざる得ない。断じて容認できず、北朝鮮に対して厳重に抗議し、然るべき対応が必要であるということを、関係各国のトップ同士がまずは話し合うことから始めてみてはいかがだろうか。
※画像は防衛省・自衛隊公式ホームページより
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北朝鮮ミサイル発射実験! 弾道ミサイル 北朝鮮
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