
元空将と行く、空自百里基地研修の結果報告
令和7年5月20日(火)池袋発着のマイクロバスで航空自衛隊百里基地を研修しました。5月14日のT-4型中等練習機の悲しい墜落事故の捜索が続く中でしたが研修を受け入れて頂き申し訳ないと思いつつも感謝いたします。
往路の車中、永岩元空将(DSC理事)の体験談を交えた航空自衛隊に関する話しがありました。パイロットの養成、米国留学、インドネシアの災害派遣等多岐にわたり百里基地研修の予備知識となりました。救難隊の説明では、救難員(メディック)のモットーが「So that others may live」(他の人を助けるためにわが命をささげる)という覚悟だと聞き、心から感激しました。
1200に百里基地に到着、以降、広報班の素敵な笑顔の女性自衛官の方に案内していただきました。司令部庁舎前の広大な運動場では、今話題のロボット芝刈り機が懸命に芝刈りしていました。基地警備教導隊では「4足歩行自立型ロボット警備犬」も運用研究中とか。
まずは部隊食(スパゲッティミートソース、ブロッコリーサラダ、グリーンスムージードリンク、ポトフ風スープ) 希望者にはご飯も・・・。 喫食は前もって申請し有料です。

広報資料館において第7空団司令部監理部長から丁寧な百里基地概況説明を受けました。
百里基地は、首都圏に所在する唯一の戦闘航空団(戦闘機を運用する編制部隊)で、第7航空団を擁する基地です。
広報資料館を見学中、わざわざ百里基地司令の鈴木繁直空将補がお出でになり幸運にもご挨拶が出来ました。基地司令を囲んで記念写真 「ハイ 3,2、1 パチリ」
基地には職に殉じられた22柱の殉職者がおられるとかで、雄魂の碑で殉職隊員に対しての慰霊(黙とう)及び入鹿池に墜落したT-4乗組員に一日も早い帰還を祈りました。

「F-2型戦闘機見学」
ランプには10機のF-2戦闘機が5機ずつ向かい合って整然とならんで離陸に備えて点検していましたが、その中の1機を使い、飛行隊の凛々しいパイロット2名から詳しい説明を受けました。
F-2は、日米の先進の技術を結集した支援戦闘機で、F-15にも劣らない空戦能力に加え、優れた対艦・対地攻撃能力を有し、操縦者からも高い信頼性を得ているとかで、頼もしい限りでした。
外装燃料タンクは爆弾かと見間違いましたが、両翼下に2本、1本でドラム缶12本分の容量とか驚きです。さらに対艦ミサイルや空対空ミサイル等の武装を装着するとなると20トンを超えるという機体重量になるとかで、大空を軽快に飛行するそのパワーには驚きです。見学者は、操縦者の具体的な説明に加え、機体に直接触れることが出来てとても興奮していました。

「百里救難隊及びU-125A救難捜索機の見学」
百里基地救難隊では、現在放送中の、内野聖陽主演を務めるドラマ『PJ〜航空救難団〜』(テレビ朝日系)の撮影が実施されていてびっくりしました。エキストラで参加したいというリクエストは残念ながら却下されました!(PJ:pararescue jumpers)
我々は、まさにその話題の「PJ」、救難員(メディック)から、直接、救難に関する説明をお聞きすることが出来ました。
救難隊の第一の任務は、脱出した戦闘機操縦者の救助とのことです。その活動エリアは陸上(積雪山岳)・海上(潜水含む)の区別なく行われ、天候気象を問わないとても厳しいものです。もちろん、震災等の自然災害や救急患者輸送等でも大活躍します。
そのための救助隊員の資格には、救急救命士、レンジャー、空挺降下、潜水士・・・等がありどんな状況でも、遭難した操縦者や要救助者を助ける体力と精神力を鍛えています。本当に頼もしい限りです。説明してくれたメディックの爽やかで自信に満ち溢れた立ち居振る舞いに、これこそ、「わが国の宝・国民の財産」と心から有難く思った次第です。
彼らの装備はまさに「特殊作戦部隊」、暗視ゴーグル、ヘルメット、開式スクーバ、ウエット・ドライスーツ、シュノーケル、フィン、ゴムボート、各種担架、ビバーク用品、パラシュート等、いかなる状況でも、要救助者を救助出来ると、本当に感心しまし

彼らには24時間の救難待機があり、戦闘機の訓練中やスクランブル発進しているときには、常に第1待機として、いつも15分以内に出動できる態勢で待機しているそうです。
戦闘機のパイロットも、いざというときには、必ず、救助隊員が助けにきてくれるという安心感と信頼感があり、その絆は非常に太いと感じました。
「売店」
陸の孤島の百里基地の売店にしては規模が小さく、基地の隊員の皆様にはちょっと気の毒な環境と思いました。隊員の処遇改善の観点から、もっともっと真剣に、隊員の厚生施策等を推進してあげるべきと痛感しました。
なお、クッキー(「BLUE IMPULS」と「来るならかかって来い!」)を土産に買いました。
百里基地隊員の皆様の真剣な取り組みと隙のない態勢には本当に頭が下がるばかりでした。広報隊員の笑顔と自信に満ち溢れたご案内もありがとうございました。
隊員皆様のご健勝を心よりお祈り申し上げます。
元空将と行く、空自百里基地研修の結果報告
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