極超音速ミサイルシステムKh-47M2 Kinzhal ALBM 「キンジャル」とは?
ロシア国防省は3月19日、西部イワノフランキフスクにあるウクライナ軍施設を、核対応極超音速空中発射弾道ミサイルKh-47M2 Kinzhal ALBM(air-launched ballistic missile)で破壊したと発表した。
令和2年の防衛白書「ロシアの新型兵器」によると、
プーチン大統領は、2019(平成31・令和元)年の優先事項として、ミサイル防衛シ ステムの突破能力が強化された近代的な戦略核戦力の必要性に触れ、今後、極超音速滑空兵器(HGV:Hypersonic Glide Vehicle)「アヴァンガルド」の量産を強調していた。同年2月、同大統領は、HGV「アヴァンガルド」、ICBM「サルマト」、空中発射型弾道ミサイル(ALBM:Air-Launched Ballistic Missile)「キンジャル」などの新型兵器の開発や配備の進捗状況を半年おきに報告するよう指示したほか、最高速度約マッハ9で1,000km以上の射程を持つとされる海上発射型の極超音速巡航ミサイル「ツィルコン」を開発中であることを初めて明らかにしていた。
ALBM「キンジャル」とは、
速度:マッハ10以上
射程:2,000km以上
飛翔中に機動可能な戦闘機搭載の空中発射型弾道ミサイル(ALBM)。地上発射型短距離弾道ミサイル「イスカンデル」の空中発射型との指摘もある。
さらに、令和3年防衛白書の「軍事分野における先端技術動向」の中では、以下のように述べられている。
(1)極超音速兵器
米国、中国及びロシアは、弾道ミサイルから発射され、大気圏突入後に極超音速(マッハ5以上)で滑空飛翔・機動し、目標へ到達するとされる極超音速滑空兵器(HGV:Hypersonic Glide Vehicle)や、極超音速飛翔を可能とするスクラムジェットエンジンなどの技術を使用した極超音速巡航ミサイル (HCM:Hypersonic Cruise Missile)といった極超音速兵器の開発を行っている。極超音速兵器については、弾道ミサイルとは異なる低い軌道を、マッハ5を超える極超音速で長時間飛翔すること、高い機動性を有することなどから、探知や迎撃がより困難になると指摘されている。とある。
では、極超音速ミサイルシステム「キンジャル」を使用したことには、一体どんな意味があるのだろうか? そこにはプーチン大統領の焦りだけではなく、同時に新兵器を使用したことでウクライナから次の戦いにまで視野を広げたとすると、第三次世界大戦に発展するということも考えられなくはない「事象」といえるのではないだろうか。
もし、プーチン大統領が、極超音速ミサイルシステムに「核」を搭載するような暴挙にでることがあれば、人類の想像を絶する結末が待っているかもしれない。世界は、全力で最悪の事態を止めないといけないところまできているのではないだろうか。
(画像は、防衛白書より。映像は、Military Weapons公式YouTubeチャンネルより)
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https://www.mod.go.jp/j/publication/wp/wp2020/html/n12403000.html
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ロシアがウクライナ侵攻で世界初実戦使用! 極超音速ミサイルシステム「キンジャル」。 極超音速ミサイル ロシア
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