
電磁力を使って弾を発射するレールガンとは?
日本経済新聞によると、防衛省はミサイル防衛の立て直しに乗り出すために、電磁力で砲弾を発射してミサイルを迎撃する技術を中核に据える計画を発表したようだ。以前にもこのサイトで紹介した、中国などが研究を進める変則軌道で飛ぶ極超音速兵器を打ち落とせるようにするためだという。相手の発射基地まで届く長射程ミサイルなどの開発とあわせ、2030年までに体制を刷新する予定だ。
では、レールガンについて詳しく説明すると、火薬を使わずに電磁力の原理で弾を高速で撃つ技術であり、電気を通しやすい素材で作ったレールの間に弾を置き、電流と磁界を発生させて発射する技術を使った兵器である。磁場のなかで電気を流すと力が発生する「フレミングの法則」で弾を動かすものであり、モーターや発電機など身近に使われる技術が基礎になっている。
その特徴は、
1 電磁力の原理で迎撃弾を高速発射できる
2 弾丸が小さく、探知・迎撃が困難
3 電流の強弱で弾丸の速度を操作可能
4 連射が可能
5 安価
但し、発射するためには大きな電力が必要であり、より少ない電力で弾丸を飛ばすための工夫が必要となってくる。さらに、電気を通しやすく頑丈な素材の開発も必要となってくる。

なぜ日本が最先端なのか?
元々レールガン開発は、日本に先駆けて各国で行われていたが、その最先端を走っていたアメリカが実用化まであと一歩の2021年6月にレールガンの開発中止を発表した。
一方、日本のレールガン開発はと言うと、1980年代から行われていたのだが、軍事的目的ではなく現在のJAXAによる宇宙船開発のために研究されていたのだ。兵器としての開発には出遅れたのだが、本格的な開発に2016年から参入したにも関わらず、アメリカでも克服が困難だった「アーク放電」という問題をあっさりと克服して、レールガン開発の先頭を走ることになったということだ。これも宇宙船開発時代からの地道な努力が役立っていることは言うまでもない。
このレールガン開発には、ロシアと中国と言った国が難色を示しており、 彼らが開発してきた極超音速兵器を無力化する恐れがあるからだという。
どちらにしても日本国民としては、戦争が抑止され、国を防衛するための「レールガン開発」であることを願うばかりである。
(画像・動画は、防衛装備庁公式資料より)
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「レールガン(超電磁砲)」の開発計画 レールガン 極超音速兵器
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