中国海軍とロシア海軍の艦艇(中露艦艇)10隻が日本列島をほぼ1周!
防衛省は2021年10月23日、中国海軍とロシア海軍の艦艇10隻が鹿児島県の大隅海峡を通過し、東シナ海に向けて航行したことを確認したと発表した。10月17日から23日、中露艦艇は津軽海峡を通過、大隅海峡を西進し東シナ海にむけて航行。合同の戦術的操縦・訓練を行い、合計で1,700海里以上を航海した。
海上自衛隊が22日午後1時ごろ、高知県足摺岬の南約180キロメートル海域で10隻を発見。23日午前10時ごろには、長崎県男女群島の南南東約130キロメートルの海域で、中国のミサイル駆逐艦1隻の艦載ヘリの発着艦も確認した。
防衛省・自衛隊は情報収集や警戒監視を行ったほか、艦載ヘリの発着艦に対しては戦闘機を緊急発進させるなどの対応も実施した。
10隻は18日に津軽海峡を通過し、20日には千葉県の犬吠埼沖約130キロメートルまで接近しており、日本列島をほぼ一周した形だ。共同通信によると、防衛省が中露艦艇による大隅海峡の同時通過を確認したのは初めてという。
中国及びロシア海軍艦艇の動向について。
今回の中露の艦艇による共同訓練と思われる動きを、時系列で統合幕僚監部による発表で追ってみる。
■2021年10月11日(月)
午後1時頃、海上自衛隊は、対馬の南西約320kmの海域において、同海域を北東進する中国海軍レンハイ級ミサイル駆逐艦1隻、ルーヤンⅢ級ミサイル駆逐艦1隻、ジャンカイⅡ級フリゲート2隻、フチ級補給艦1隻及び、ダラオ級潜水艦救難艦1隻を確認した。
その後、当該艦艇が対馬海峡を北東進し、日本海へ向けて航行したことを確認した。
防衛省・自衛隊は、海上自衛隊第13護衛隊所属「じんつう」(佐世保)、佐世保警備隊所属「あまくさ」(佐世保)、第1航空群(鹿屋)及び第4航空群(厚木)所属の「P-1」により、所要の情報収集・警戒監視を行った。
■2021年10月18日(月)
午前8時頃、海上自衛隊は、北海道奥尻島の南西約110kmの海域において、同海域を東進する中国海軍レンハイ級ミサイル駆逐艦1隻、ルーヤンⅢ級ミサイル駆逐艦1隻、ジャンカイⅡ級フリゲート2隻及びフチ級補給艦1隻並びにロシア海軍ウダロイⅠ級駆逐艦2隻、ステレグシチー級フリゲート2隻及びマルシャル・ネデリン級ミサイル観測支援艦1隻を確認した。
その後、これらの艦艇が津軽海峡を東進し、太平洋へ向けて航行したことを確認した。
なお、これら中国艦艇は、10月11日(月)に対馬の南西海域で確認され、その後、対馬海峡を北東進したものと同一である。また、中国海軍艦艇とロシア海軍艦艇が同時に津軽海峡を通過することを確認したのは、今回が初めてである。
防衛省・自衛隊は、海上自衛隊第2航空群所属「P-3C」(八戸)、第45掃海隊所属「いずしま」及び「あおしま」(函館)により、所要の情報収集・警戒監視を行った。
■2021年10月18日(月)
午後6時頃、海上自衛隊は、津軽海峡を通過した中国海軍レンハイ級ミサイル駆逐艦1隻、ルーヤンⅢ級ミサイル駆逐艦1隻、ジャンカイⅡ級フリゲート2隻及びフチ級補給艦1隻並びにロシア海軍ウダロイⅠ級駆逐艦2隻、ステレグシチー級フリゲート2隻及びマルシャル・ネデリン級ミサイル観測支援艦1隻が青森県尻屋崎の東南東約40kmの海域において、南東進したことを確認した。
■2021年10月20 日(水)
午前1時頃、これら艦艇が千葉県犬吠埼の東約130kmを引き続き南進。
■2021年10月21日(木)
午前4時頃には、小笠原諸島の須美寿島と鳥島との間の海域を西進したことを確認した。その後、須美寿島の南西約50㎞から100㎞の海域において、中国海軍艦艇ジャンカイⅡ級フリゲート1隻及びロシア海軍艦艇ステレグシチー級フリゲート1隻の艦載ヘリの発着艦を確認した。
防衛省・自衛隊は、海上自衛隊第2航空群所属「P-3C」(八戸)、第45掃海隊所属「いずしま」(函館)、第11護衛隊所属「やまぎり」(横須賀)及び第6護衛隊所属「たかなみ」(横須賀)により、所要の情報収集・警戒監視を行った。
また、艦載ヘリの発着艦に対し、戦闘機を緊急発進させる等を行い対応した。
■2021年10月22日(金)
午後1時頃、海上自衛隊は、高知県足摺岬の南約180㎞の海域において、同海域を西進する中国海軍レンハイ級ミサイル駆逐艦1隻、ルーヤンⅢ級ミサイル駆逐艦1隻、ジャンカイⅡ級フリゲート2隻及びフチ級補給艦1隻並びにロシア海軍ウダロイⅠ級駆逐艦2隻、ステレグシチー級フリゲート2隻及びマルシャル・ネデリン級ミサイル観測支援艦1隻を確認した。その後、これらの艦艇が大隅海峡を西進し、東シナ海へ向けて航行したことを確認した。
■2021年10月23日(土)
午前10時頃、長崎県男女群島の南南東約130㎞の海域において、中国海軍レンハイ級ミサイル駆逐艦1隻の艦載ヘリの発着艦を確認した。
なお、これらの中国及びロシア艦艇は、10月21日(木)に伊豆諸島の須美寿島と鳥島との間の海域を西進したものと同一である。
防衛省・自衛隊は、海上自衛隊第11護衛隊所属「やまぎり」(横須賀)、第12護衛隊所属「とね」(呉)及び第1航空群「P-1」(鹿屋)により、所要の情報収集・警戒監視を行った。また、艦載ヘリの発着艦に対し、戦闘機を緊急発進させる等して対応した。
このように、我々日本国民の知らない間に中国とロシアの海軍が日本列島をほぼ1周するという異常事態が行われていた。何が目的なのか? 動向を注視していく必要があるようだ。
(画像は、統合幕僚監部のHPプレスリリースより掲載)
詳細はコチラ:https://www.mod.go.jp/js/
防衛省が、中露艦艇10隻の大隅海峡通過を確認。 防衛省 中露艦艇
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