「総合ミサイル防空」レポート【自衛隊応援クラブ第30号】

会報誌

一般社団法人DSC

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わが国を取り巻く安全保障環境は非常に厳しくなっている中で、中国の軍事力は大変強くなってきている。中国政府は5月22日に始まった全国人民代表大会で2020年度の国防予算約1兆2,680億元、日本円で約20兆2,881億円と発表した。前年度から約6.6%の伸びとなり、日本の防衛費( 5兆3133億円 )の約4倍であり、わが国を含む地域、国際社会の安全保障上の強い懸念となっている。

South China Morning Postは8月26日、浙江省から最大射程2150 「東風21D」 が、青海省から 最大射程5000 「東風26B」が発射されたと報じた。 東風21Dは大型艦船を狙うことが可能とされることから「空母キラー」、 東風26B はグアムを射程範囲とするため「グアムキラー」の異名を持つ。一方、北朝鮮は10月10日の軍事パレードの中で、新型大陸弾道弾や潜水艦から発射できるSLBM:Submarine-Launched Ballistic Missileを登場させた。

自衛隊は、レーダー、人工衛星、航空機、艦艇などによって、今この瞬間も、我が国周辺の警戒監視にあたっています。我が国に飛来する弾道ミサイルに遅滞なく対応するため、JADGEと呼ばれる自動警戒管制システムが、全国各地のレーダーがとらえた情報を集約・処理しています。これにより、着弾地点の計算などを自動的に行い、はるか洋上のイージス艦などに瞬時に迎撃を命令することができます。

現在、イージス艦の能力向上増艦や、能力向上型PAC-3(PAC-3MSE)の導入を進めており、さらなるMD体制の強化に取り組んでいます。極超音速兵器などを始めとする新たな脅威が出現している中、防衛省では、センサーやシューターの能力を高めていくほか、ネットワークを通じて、ミサイル防衛用の装備品とその他防空のための装備品を一体的に運用する「総合ミサイル防空」強化のための取組みを進めています。あわせて、宇宙空間等からの探知や先進的迎撃アセットの開発について、技術的な検証や費用対効果を勘案しつつ、米国の考え方を踏まえながら検討しています。
防衛省HPミサイル防衛について 令和2年防衛白書 航空自衛隊HP より引用加工

総合ミサイル防空 ミサイル防衛 安全保障

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